「あの監督は・・・・」溺殺魔 セバスチャン・ドナー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)
あの監督は・・・・
ビジュアル的には一度見たら忘れられない容姿の殺人鬼。その名もセバスチャン・ドナー。人を(若いおねーちゃんばかり)水の中に引きずり込んで殺す「溺殺魔」である。「エルム街の悪夢」のフレディのポジョンを狙ったのか、ただ溺死させるのでは無く、水の中に引きずり込み、自身の住処へワープさせるというファンタジックな攻撃能力を備えている。
適度な恐怖描写であり、飽きることは無いが、物語がどうも上手く歯車が合っていない様に進んでいく。要するにテンポが悪いのだ。脚本をぶつ切りにして繋げたような、なんとも言えぬ不思議な感覚であった。
主人公が狙われる理由が終盤で明かされるのだが、その理由はかなりの衝撃だった。上手く回収出来ている箇所もあったが、事実が判明してからの主人公の気持ちの切り替えが早く、自身の生い立ちに衝撃を受けてひるむことも特に無く、セバスチャンの弱点を攻めようと立ち向かっていく。ここら辺の動きが「作った感」を出してしまって勿体ない。
本作の監督は、「THE BITE 変身する女」の監督だが、過去にも「マンホール」という作品も手掛けている。どの作品も下品極まりないが、それに比べたら本作はだいぶ大衆向けになっている。正直期待値低めで鑑賞したが、殺人鬼の造形など、他の類似作品とはまた違った作風であり、それなりに楽しめた。
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