「愛とは共に老いること」スキン・コレクター いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とは共に老いること
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電車遅延のため、10分程遅れて観覧。場内に入ってもう不穏なシーンが始まっていた。何だかデビット・リンチ的導入だなぁと。それと子供の声やこれ又不穏なBGMだの、オカルト映画の定石を外さずに演出しているところが逆に珍しい位。
そんな古典的シークエンスから始まる今作。ストーリー的にも同じようにそんなに斬新さはない。肌がどんどん老化していき、死滅していく奇病を患った女ピアニストが、同時にデジャビュ的な慨視感に襲われ、いるはずのない子供の姿や声に悩まされる。一時期な記憶喪失との診断を受けるが、とにかく奇病は治したいとの一心である主人公が、偶然にも他人の皮膚を患部に貼り付けたところ急速に取り込まれ、同化していくことを発見してしまったところから、次々と他の女を襲い、皮膚を剥がしては自分に移植していくという導入部である。
ネタバラシのシーンもまた、予想の粋を出てなかったし、ラストもそこまでのどんでん返しはない。どっち転んでもストーリーとしては成立する内容だ。
今作品の一番のキモは、やはり美しい裸体のオンパレードに尽きるということだろう。確かに若返ったのだから、これでもかと美女のスタイル抜群なヌードを惜しげもなく披露するというプロットが主旨ならば、これは正しい。ま、それだけのサービス映画なんだろうけどね(苦笑
『飽くなきアンチエイジング』という虚栄心に取り憑かれた悲しい女の性がテーマならば、そんなに心に響かない。あくまでもホラー映画だしね。
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