「監督が狙ったライン」NO EXIT ノー・イグジット R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0監督が狙ったライン

2024年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2015年と少し前の作品
サイコ監禁もの
物語の根幹にいくつかのサブ的な背景をくっつけたもの。
基本的な監禁
そこに合わせた泥棒
さらにその泥棒の背景を作って
サイコの背景も少し加算されている。
さらにそこにドタバタ劇が加わっている。
さて、
泥棒の背景はなかなかよくできていた。
ただ、
サイコの背景はわからない。
冒頭の少女メイシーがビビアンにされたことが最後に明かされる。
それがビデオテープの映像であることで、おそらく警察の調査でそれが明らかになったのだろう。
ビビアンとはサイコであるジャック・タッカーの妻の名前かもしれない。
逆に妻などいなかった可能性もある。
ただその名前に執着があったのは確かだ。
そもそも彼はあの家を最初から監禁用に設計しているので、本職は建築設計士なのだろう。
つまり彼はずっと以前からこのような計画を持っていたのだろう。
その起源は推し量れない。
そこはサイコの一言で終わった。
また、
細部にある設定には是非が伴う。
恐怖を感じると笑ってしまうブレア
おバカな泥棒コナーとライリー
そしていつも現場合わせの勝手な判断をするオリー
この特徴ある4人とサイコ監禁の取り合わせは、スパイスが聞いている箇所とそうではない箇所があったように思える。
この型は2000年前後のもののように思う。
しかし監督はこれが好きだったのだろう。
しかし、
現時点では監禁されていた者はいなかった。
積み上げられた監禁を記録したテープがあることから、ジャックの目的は達成されたものと想像した。
つまり彼は幼いメイシーを洗脳して、理想の女性ビビアンを作り上げることに成功したのだろう。
彼にとっての最高の世界が完成したところに、あの4人組が現れたと思われる。
ビビアンはあの閉ざされた空間が彼女の基本的な住処として居心地よかったのかなと思った。
また、
ブレア
彼女はこの物語のキーマン的な役割を果たしている。
ヒロインでありビビアンがヤバいことをいち早く察知している勘の鋭さがあるが、基本的には彼女のその時々の判断は、正しかったとは言えず、単に物語を面白くするための役割でしかないともいえる。
ライリーの瞼も、お笑いでしかないが、この些細なスパイスがあるからこそ怖さが際立つのだろう。
警官の判断もまあギリギリ許容可能だ。
それらすべてがぎりぎりのラインで構成されていた。
悪くない。
面白かった。

R41