「原点回帰」アンツ・パニック 巨大蟻襲来 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
原点回帰
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昆虫博士の香川照之さんが、もし同じ大きさで戦ったら一番強いのはトラでもライオンでもなくアリだと言っていた。たしかにアリさんは体重の25倍ものものを運べる、人に例えれば1.5トン、自動車を持ち上げられるほどの力持ち、顎の力も重機級、おまけに軍隊並みの統率力を秘めているから納得です。
蟻の巨大化はSFの古典、「放射能X(1954)」まで遡る、当時はCGも無かったので撮り方次第で大きく見せられる昆虫は格好の材料、子供たちにも身近な存在だけに怖さもひとしおだったでしょう。突然変異のミュータントものは大うけ、味を占め蜂、蜘蛛やカマキリ、バッタにサソリとブームになったが、所詮虫なので火器には弱い、粗製乱造で次第に飽きられた。
久しく恐竜に席を譲っていたがスペイン・フィンランド合作で懐かしい復活、ただ今回、怪物蟻は主役と言うより若者の引き立て役のようで影は薄め、警備の兵隊たちでさえ全滅させられたのに素人の若者が大活躍、バイク仲間の友情やロマンスを軸にしたジュブナイル向けの青春活劇に模様替えしたようです。
巨大蟻は軍の生物化学兵器、昔、砂漠に落ちた隕石のエイリアンの遺伝子で巨大化したそうです、そういえばエイリアンも昆虫の類のようですね、原点回帰でもあるのでしょうか。
エンドロールに流れたのは本作のビデオゲーム、続編も臭わせるなど商魂たくましい怪作でした。
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