「ジェームス・キャメロン全部乗せ」アバター ウェイ・オブ・ウォーター N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
ジェームス・キャメロン全部乗せ
本年一発目にチョイス。2Dで鑑賞。
まさにふさわしい、ジェームス・キャメロン、全部乗せ超大作だった。
「エイリアン2」のローバーに代表されるメカデザ、「アビス」における水の表現、タイタニック要素もあれば、サシの対決にはターミネーター感のしぶとさもあり。
それらを前作「アバター」の世界観がつないでくるむ。
前作もそうだったが、上映開始直後は青いナヴィに違和感を覚えるも、
気付けばすっかり感情移入。親近感を抱いてしまう表現力の豊かさと存在感よ。
それもこれもキャプチャーの成果と知れば、1980年代「ターミネーター」のあの頃から、
はるばるよくここまで進化したものだと思う。
以外にも、背景やそこを行き交う生命体に、戦闘となれば登場する銃や乗り物等々、
種類と造り込みが半端ない。
CGなのかリアルなのか分からず、もうどっちでもいいや、とうっちゃりたくなるほど。
それらビジュアル、デザインを見るだけでも楽しい。
そしてもちろん物語も近頃お馴染み、アトラクションさながらのジェットコースター展開。
空を自由に飛び、波を切って泳ぐ様は爽快で、大詰め戦闘シーンのスケール感たるや、
手に汗握り、血がたぎる。
三時間、飽きない、飽きない。
トイレも忘れる。
映画を見た、と誰もが納得するに違いない仕上がりだった。
(ちょっと子供たち、活発すぎて危機をひきよせがちだけど、エンタメとはそういうもの)
ただ一点、気になることがあるとすれば、よくよく観察すると織り込まれているメッセージだろう。
捕鯨は価値観の違い、異なる視点の体験と片付けられるが、
父はこの地で家族を守るため戦う、はいかようにも受け取ることができ、
プロパガンダ的なものを感じずにはおれなかった。
「トゥルー・ライズ」のイスラムテロリスト同様、果たしてこれからの米国の雰囲気をにおわせているのか。
ともあれ、深読みせずに素直にとれば、スケール感半端ない大冒険活劇だったと観る。
ちなみに、可能であれば前作はおさらいしておいた方がなお、楽しめるかもと提案する。