「水も滴るキャメロンの『家族に乾杯』」アバター ウェイ・オブ・ウォーター regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
水も滴るキャメロンの『家族に乾杯』
ジェームズ・キャメロンの作家性といえば"強い女性"だが、本作ではもう一つ、“水”へのこだわりが半端ない。監督デビュー作の『殺人魚フライングキラー』こそ黒歴史扱いだが、CGIを初めて活用した『アビス』以降は、正に「水を得た魚」状態。
本作は彼のフィルモグラフィーを集約した内容。敵がパンドラを襲う件なんかスカイネットのそれだし、沈んでいく戦艦の上を登場キャラがはいずり駆けまわるシーンなんかはモロ『タイタニック』。ストーリーはディズニー資本になったせいもあるのか、前作の敵が蘇ってきたりテーマが"家族”だったりと、なんか構成が『スターウォーズ』サーガっぽくなっている気が…某ラジオ番組のパーソナリティが「『北の国から』みたい」と評していたのは言い得て妙で、他に例えるなら鶴瓶ならぬ『キャメロンの家族に乾杯』といったところか。そもそもキャメロンは「ストーリー云々よりも映像観て!環境保護問題に目を向けて!」という方に重きを置いたと思われる。
通常スクリーンで観たせいか映像の凄さはあんまり感じなかったけど、画作りに尽力しているなというのは伝わったし、3時間越えのランニングタイムは鑑賞前こそ辟易したが、中だるみせず観られたのは立派。むしろ2時間45分だった前作の方が長く感じたほど。
でもやっぱり「このシーンいるか?」と思う箇所もあったし、削れるところは削ってほしかったもの。
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