「アバターの『ハリウッド映画』化」アバター ウェイ・オブ・ウォーター uzさんの映画レビュー(感想・評価)
アバターの『ハリウッド映画』化
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個人的に、前作の凄さは世界観だった。
そして、そこに宗教的なものを多分に含む文化や文明など、異なる価値観とその共生というテーマ。
それに奥行きと説得力を与えるための映像美。
しかし今作は、有り触れたテーマと有りがちな筋立てで、普通のハリウッド映画。
あの美麗さである必然性が薄れてしまった点は残念だった。
また、正直長さに意義を感じず。
襲撃から海への移住までは半分の時間で十分だし、子供同士のいざこざと和解はまったく活かされない。
(それどころか、海側の息子は抗争に参戦した描写すらない)
対して家族の絆、民族間の軋轢、クオリッチの復讐、いくつか匂わせた恋愛要素などの掘り下げは浅い。
映像の美しさ含め、見せたい要素を詰め込みすぎて散漫になっていた。
ジェイク、ロアク、キリの誰を主軸にしたいのかも判然としない。
森を出てもそこが安全になるわけではない(現に海の部族はしつこく蹂躙されていた)し、移住先に被害が広がるだけ。
スパイダーも自分たちが襲われた件があったにも関わらず、クオリッチに協力的になり、挙句「こんなつもりじゃなかった」と意味不明。
スカイピープルも、クオリッチの復讐心に殉じすぎてて不自然。
などなど、人物の行動にも納得できない点が多かった。
映像自体はやはり素晴らしいのもがあるが、それも周りが追いついてきてしまっている。
次作が『ただのアクション映画』にならないことを祈る。
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