「遡って一作目の評価を下げてしまうタイプの駄目な「2」」アバター ウェイ・オブ・ウォーター 南野コミチさんの映画レビュー(感想・評価)
遡って一作目の評価を下げてしまうタイプの駄目な「2」
良かった点
・海中の映像が綺麗。しかし、このご時世、他の映画も現実と見分けがつかないくらいに綺麗になってるので、特別感動するようなことはない。
・敵役のサププロット。敵役は非常に魅力的に描かれていますし、動機や葛藤に説得力があります。
悪かった点
・長すぎ。正直190分かけてやるような映画ではありません。ジャンル映画に徹して90分から長くても120分に抑えるべきです。実際、途中、ストーリーの推進力を弱めるだけの「海綺麗〜」的なシーン、同じ展開を繰り返すシーンをカットすれば大幅に上映時間をスリムにできるはずです。
・主人公(たち)に感情移入できない。主人公(たち)の選択や決断に納得できません。心情の説明も足りていません。特に主人公の子供たちはトラブルを引っ張ってくるだけの装置です。「一致団結」「兄弟」など空虚な言葉を連呼するだけ連呼してひたすらイライラします。敵役の方を応援したくなるほどです。一作目で主人公がナヴィ側に立って戦う理由に納得できたが、今作で戦いに巻き込む民族たちは主人公が来なければ(少なくとも当面の間は)戦争をしなくて済んだ民族なのもイライラに拍車をかける。主人公たちはこの件に関して劇中で贖罪するシーンはない。
・アメリカ人のインディアン(ネイティブアメリカン)虐殺への反省(してるポーズ)感が前作より増している。
・その一方、露骨な日本批判。しかも事実を捻じ曲げより白人層のイメージに寄せた日本人観で描いている。醜悪。
一作目自体にもそれほど思い入れはありませんが3回くらいは視聴しているはずです。めちゃくちゃ面白いわけではありませんが楽しめる佳作といった感じの評価をしています。
しかし、二作目のこちらは駄目です。大駄作です。
褒める方もいるのはわかります。劇場に見に行けという気持ちも理解はできます。
ですが、私に言わせればこれはベッドにでも寝っ転がりながらスマホの画面で、ポテチでも食べながら、そのまま寝落ちするために使うのがベストな『綺麗な映像作品』です。
ファニーなタイプの「面白い」エンタメ映画ではありません。製作陣の趣味と主張を見せつけるタイプの作品です。
この映画に190分使うならエイリアン2とターミネーター2を見た方が有意義です。少なくとも急いで見に行かなきゃというタイプの映画ではありません。