劇場公開日 2022年12月16日

「圧巻の映像美に酔いしれる」アバター ウェイ・オブ・ウォーター おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧巻の映像美に酔いしれる

2022年12月18日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

たまたま観た予告が圧倒的な美しさの3D映像だったため、絶対IMAX3Dで鑑賞しようと決めていた本作。仕事の都合で21:45~25:15というなかなかハードな上映時間しか選べなかったのですが、それでもけっこうな客入りで本作へ期待する観客の多さがうかがえました。

ストーリーは、前作で惑星パンドラで先住民族のナヴィとして生きることを決意した元海兵隊員のジェイクが、妻ネイティリと子どもたちに囲まれて幸せに暮らしていたが、再び現れた地球人の侵略行為を受け、家族を守るために森を捨てて海の部族を頼り、生前の記憶を宿してナヴィとして復活した宿敵クオリッチと対峙していくというもの。

正直言って、前作鑑賞済みにもかかわらず、その内容や設定をかなり忘れていたので、知らない名前や用語が飛び交う序盤はかなりきつかったです。物語の進行に合わせてだんだん理解できますが、前作鑑賞前提で復習なく展開していくので、初見の方には作品の世界観が理解できないのではないかと思います。自分は、鑑賞後にパンフレットで補完しましたが、できれば事前に前作鑑賞または予習しておくことをおすすめします。

とはいえ、ストーリーそのものはわりと単純だったので話についていけなくなることはありません。家族の絆を前面に打ち出した展開は非常にわかりやすかったです。泣けるほどの感動には至りませんでしたが、親子の情愛を十分に感じることはできました。ただ、中盤の海の部族との交流は、終盤の伏線になっているとはいえ、ストーリー的にはやや間伸びした印象で、もっとコンパクトにまとめることもできたのではないかと思います。また、ジェイクVSクオリッチという構図はスケールが小さいし、捕まった家族を救出するというシークエンスの繰り返しはドロケイのようだし、前作に比べるとストーリー全体が小ぢんまりして凡庸な印象を受けました。

しかし、そのストーリーの物足りなさを補って余りあるのが、ため息が出るほどの映像美。特に海中シーンは圧巻です。中盤をスローテンポで描いたのは、それを堪能させるためだったのではないかと思えるほどです。他のシーンも含めて全編通して精細に描きこまれた映像は、もちろん超リアルなのですが、それでいてどこか作り物感を漂わせている点が秀逸です。これがアバターの世界観に絶妙にマッチし、異世界感を醸し出しています。と同時に、終始明るい映像表現のおかげで、植物が生い茂る森の中、さまざまな生物が行き交う海の中、ナヴィ対人間の激しいバトル等、すべてのシーンがとにかく見やすいのです。そのため、ハイクオリティな映像を余すことなく堪能でき、そこから得られる没入感はハンパないです。これぞまさにIMAXで観るべき作品だと断言できます。加えて、3D感もほどよい視覚効果をもたらし、できればこれも劇場で味わっておきたいところです。ただ、予告で期待したほどの3D感が得られなかったのはちょっとだけ残念でした。

主演のサム・ワーシントン、共演のゾーイ・サルダナ、脇を固めるスティーブン・ラング、クリフ・カーティス、ケイト・ウィンスレットら、ナヴィの姿であっても十分にその思いが伝わってくる好演でした。すでに5部作としての計画が進行中とのことなので、次回作の公開が待ち遠しいです。

おじゃる
みかずきさんのコメント
2023年1月14日

共感ありがとうございます。

仰る様に、素晴らしい作品でした。
圧倒的な映像美、ストーリーの主軸を普遍的なテーマである家族の絆にして、シンプルなストーリーで魅せる秀作でした。

タイタニック、風の谷のナウシカなどを彷彿とさせる、既視感のあるシーンが気になりました。本作の独創的な世界観に、これらの作品の世界観が割り込んできて勿体なかったです。

五部作とのことなので、次回作では、全編、独創的な世界観を貫いて欲しいです。

みかずき
Uさんさんのコメント
2023年1月14日

なるほど。超リアルで同時に作り物感を見せているから、それが異世界感に繋がると言うのは納得できますね。

Uさん
kazzさんのコメント
2023年1月14日

オープニングの配給会社のトレードマークが一番立体感ありましたね😁
でも、ほんとうに素晴らしいビジュアルでした。

kazz