ある個人的な問題 レインボウのレビュー・感想・評価
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静かに狂気を滲ませるルカ・マリネッリの演技が鈍く光る小品
1943年夏の北イタリア。ミルトン、ジョルジオ、フルヴィアの3人は邸宅の居間で過ごしていた。フルヴィアに密かに想いを寄せていたミルトンとジョルジオはやがてレジスタンス軍に参加、フルヴィアは手紙を書くと言い残して街を去っていった。ミルトンは濃霧が立ち込める日にフルヴィア達と過ごした邸宅に立ち寄るが、そこでジョルジオとフルヴィアが密会をしていたことを聞き苦悩する。そんな折ジョルジオがファシストに捕まり捕虜にされたことを知ったミルトンはある決意を持って街を出る。
劇中で何度も色んなバージョンで流れる『虹の彼方に』が邦題の由来。ちょっと不思議ちゃんな美女フルヴィアに振り回される男2人が酷い目に遭うのをただ冷たく見つめる映像はメチャクチャイタいです。しかし作品は徹頭徹尾淡々としているので、ミルトンを演じるルカ・マリネッリの狂気が滲んでいなければ箸にも棒にもかからぬ作品になっていたと思いますし、彼のただならぬ個性に正直身震いしました。
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