「壮大なる聖地巡礼+復元」サッドヒルを掘り返せ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大なる聖地巡礼+復元
いきなりメタリカのコンサート風景から始まったため、間違って録画したんじゃないかと焦ってしまいました。そんなメタリカさん、相当この映画がお好きなようで、エンニオ・モリコーネの音楽で集中力を高めているそうな。ヘビメタってあまり聴かないものだから全然知りませんでしたよ。
クリント・イーストウッドやエンニオ・モリコーネの映像も楽しめるし、セルジオ・レオーネ監督の様々なエピソードも楽しめるドキュメンタリーとなっています。中でも面白かったのが、『荒野の用心棒』、『夕陽のガンマン』、『続・夕陽のガンマン』と予算が倍々になっていき、セットも半端ない額になったとか・・・中でも南北戦争のロケ地としてスペインのタベルナス砂漠のサッドヒルが聖地になっているらしい。しかも1966年当時のスペインはフランコ将軍が支配する中、反戦映画でもあり国家主義批判でもあるこの映画の撮影許可が下りないんじゃないかと危惧したのに、あっさり通ってしまった事実。要はアメリカ南北戦争時の西部劇なんですよ~チャラーン♪で良かったのですね。
もう一つ印象的なエピソードはスペイン軍の協力で作り上げた橋を爆破するシーンにおいて、誰かが間違って爆破させてしまったためにまた作るハメになったこと。軍の力がなければ相当な予算オーバーになったはずです。
“続”がつくけど続編ではない西部劇。やっぱり最高です。“続”なんとかの映画作品の中では圧倒的に1位です。「人間には2種類ある」といった台詞から、タランティーノ作品にも影響を与えた編集の仕方。フランスからスペインまで鍬を持ってやってくるボランティアがいるほど、永遠に愛されてる映画なんですね。かなりの長尺作品なので何度も見れないけど、こちらのドキュメンタリー作品は短くてホッとしました。