「「悪」におけるグラデーション」ヴィクラムとヴェーダ Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「悪」におけるグラデーション

2020年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「目隠しされた馬」の警官ヴィクラムと、悪魔的狂言回しの麻薬犯ヴェーダが繰り広げる、重厚なクライムサスペンス。

「善悪の基準」に疑問が呈されているわけではない。
「善」は動かない。
しかし、「悪」はどうか?

実行者と、陰で操る首謀者は、どちらがより「悪」なのか。
麻薬犯を撃ち殺す警官に、「悪」はないのか。
完全な「悪」は、そもそも実在するのか。
「悪」にも様々な位相があり、グラデーションをなしているというのが、本作品のテーマだろう。

もちろん単純に、一連の伏線が最後にしっかり回収される、よく練られた脚本によるサスペンスとして楽しめる映画だと思う。
<インド大映画祭(@アップリンク渋谷)にて鑑賞>

Imperator