「欲望と抑圧」ナポリ、輝きの陰で SHさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5欲望と抑圧

2017年11月1日
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知的

2017 TIFF コンペティション

久々に本格的ドキュメンタリータッチのフィクション。多少やり尽くされた古さを感じつつ、クローズアップの連続でこれまでにない何か斬新なものも感じた。
上映後の監督の説明で、一本のレンズで終始近づいて撮影していたというのを聞いて、非常にチャレンジした作品だと納得できた。
常に不安定な映像と決して美しいとは感じることができない質感には、見ていて非常に苦痛を感じるけれど、明らかにそれは意図したものだとも感じるし、それが見事に話の内容に繋がっていって、秀逸な作品だと感服した。
出だしは完璧ドキュメンタリーかのように感じつつも、終幕には見事な劇映画と感じた。
実際の親子と実際に露天商という背景を利用して、脚本をどんどん進化させていったという説明も非常に納得できるものであった。

SH