「唯一無二の幸せなデザイナー」マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年 こまめぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
唯一無二の幸せなデザイナー
ドキュメンタリーなので話が面白いといった
類のものではない。
取り上げられてる人物に興味が無いと
特段面白くもないと思う。
マノロ・ブラニクの靴は好きだ。
でも持っていない。眺めるだけ。
とても美しいけれど、長時間履いて歩くためのものじゃない。
なぜ靴にこうも惹かれるのかはわからないけれど
複雑な曲線と難しいヒールのバランス、
そこがたまらなく綺麗なものというのはあるものだ。
そして悲しいかな美しい靴は
とんでもなく履いてると足が死ぬ。
究極の美を求める彼は
それを理解し合える人たちというのもまた
センスが突き抜けて良い人たちであって。
高次元にいる同志じゃないと通じ合えないものが
あるのだろう。
誰ともとても一緒に住めない、というのは真理だ。
美への追及が靴だけでなく
周囲のすべてにおいてあるので
そこに他人が入る余地などない。
それを孤独で寂しいと評する人もいるのだろうが、
世の中には、これがいい!と邁進しても
世間の評価と合致せずに夭折する人もなんと多いことか。
そう思えば彼は幸せなデザイナーだろうと自分は思う。
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