一陽来復 Life Goes Onのレビュー・感想・評価
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【あの哀しくも、忌まわしき天災、人災を風化させない、意義あるドキュメンタリー作品。哀しみを抱えつつ、前を向いて生きる東北の市井の人々を映し出した作品。】
■あの哀しくも、忌まわしき天災、人災から11年が過ぎた。
今作は、6年後の宮城県石巻市南三陸町、岩手県釜石市、福島県川内村・浪江町で生きる、市井の人々の哀しみを抱えながらも、必死に前を向いて生きる姿を、映し出している。
◆感想<印象的な東北の市井の人々>
・3人の娘、息子を一瞬にして失ったご夫婦の姿。観ていてキツイ。
けれど、このご夫婦は子供たちを失った場所に、仲間達のコミュニティ施設を作られた。
立派だと、思う。
・震災を風化させないために、語り部となり希望した宿泊客をバスに乗せ、被災地を案内するホテルマンの男性。
・父を失いながらも、算盤に励む5歳の少女の姿。
・被曝した牛の世話を続ける、酪農家の男性。
・石巻で、市からの”防波堤が出来ていないから・・”と言う言葉に、”灯を灯すのだ!”と、料理屋を再開した男性。
■牡蠣漁師の初老の男性の言葉には、驚いた。
”津波により、海水が浄化された・・。自然のサイクルと考えている・・。”
震災が齎した、東北の海の幸。
<私事で恐縮であるが、私は東北に所縁がある。
故に、震災後はコロナ禍の前まで、毎年、福島県庁で働く友人達と、福島県浪江町の状況を現地現物で見て来た。
そして、2015年頃であったか、少しづつではあるが夜の街にも活気が出て来たな、と思ったら復興に当たる建設業の方々が多いと聞いた。
又、福島県浪江町には放射能により、未だ立ち入れない区域が広くある。
故に、”復興五輪”等と言って、オリンピックを誘致した当時の政府には、心底腹が立った。
(今では、東京オリンピックに対する考えは、少し変わった。あのオリンピックにも“功”はあったし、選手たちには何の罪もない。)
被災した東北三県は、まだ市井の人々の心を含め、復興途中である。
「東日本大震災復興支援財団」という組織があるという事だけ、ここに記す。>
笑顔が眩しい
津波、原発事故。被害はひどいし辛さは続く。それでも、時間は進む。
この作品は、そういった中で「前向き」に元気に進む人たちを追っている。もちろん、実態は明暗双方あろう。けれども、「前向き」だけを取り上げることで、「前向き」が一層際立ち輝いて見える。
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