HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話のレビュー・感想・評価
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予想を上回る面白さ
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死刑囚と被害者の母との対話という映画紹介から社会派の固い内容かと思って観に行ったら、一人一人のキャラクターの立った人間ドラマと一つの謎が最後まで引っ張るミステリー的な面白さを兼ね備えた秀作だった。無駄な説明セリフやナレーションがなく役者さんの演技と演出で勝負しているのが潔い。
あえて苦言を呈するとHer Motherというヒロインに主眼を当てたタイトルよりMothersとかFamiliesの様に登場する人達それぞれのドラマである事をアピールするタイトルだったら観客の受け入れ方がもっとスムーズだったのではないかと思う。
新宿のケイズシネマも小さいながらも綺麗でシートの大きい快適な劇場だった。落ち着けるこの空間で各国の映画祭での受賞もあると聞くこのチャレンジングな作品を楽しんで欲しい。
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それぞれの母の想いに泣け、死刑について再考
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終始、緊張感を持って観た。
娘の母親は、自分の思いを共有できる相手が犯人だけだから、と何度も面会するのは自分には理解しがたい。
何故、殺人に至ったか?を知りたいのなら暗証番号を早く聞き出す努力をするか解析にも出せたはず。娘の悪の部分を否定したかったのか?
娘のメールを見た時の母親の表情に、もっと他の深い理由があるのか?と思ったが、そこは映画では表現されていないので少し疑問が残った。
最後の、犯人の母親のひとこと、そして悲壮な脱力感を見せた後ろ姿は印象に残る。
どんな人間にも母親はいる。どんな罪を犯しても母は子を想うものだ・・・
親と子の絆の深さに涙が止まらず、また死刑制度について新たに考えるきっかけになった。
上映回数も、もっと増やして欲しい映画である。
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