HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話のレビュー・感想・評価
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感情が画面から溢れ出る
身内を殺されたら、犯人に死刑を望むだろうか?
望むとすれば、それはとても感情的で暴力的ではないだろうか。
犯人に罪と向き合わせることがイコール死刑ではない、何が犯人に必要なのかを考えさせられる作品でした。
低予算で作られただろう映画作品だが、
その分、不必要なモノは無く、役者の感情表現が画面一杯に溢れている。
実に映画らしい映画なのではないだろうか!
感情に向き合うことの困難さを見事に
物理的、時間的、社会的な制約の中、やり直しがきかない行為の中で抑えきれない自分の感情と向き合っていくことの困難さと弱さをそれぞれの立場からむき出しにしてくれた作品。
突然の非日常で、人は人にどう触れていくかを考えさせてくれる。
そして、時の経過が生活を変えていく様を丁寧に撮っている。
これは面白い!
知り合い(西山由希宏)が出演してるというので観に行く。激しく面白かった。被害者の母親と加害者が刑務所で会話をすることで成長?していく物語。ひとりひとりの人間の描き方がとてもあるあるで、だからこそどの登場人物にも共感できるという。スーパーオススメ!
親の愛情
考えさせられる映画でした。
それぞれの親が子供にされた事、子供のした事に、苦しみながら向き合おうとする姿が生々しく、そして痛々しかった。
娘の母親が子を亡くした悲しみを、傷の痛みとともに思い返すような仕草は本当に切なかったし、娘の父親が、死を受け入れ現実を生きようと決心するにもかかわらず、投げられた一言で崩れていってしまう様は、とても印象に残った。
私は、まだ1度目の鑑賞だが、見方を変えて2度、3度観れそうな映画である。
もしあなたが主人公と同じ立場に立たされたら、どうしますか?…そんな...
もしあなたが主人公と同じ立場に立たされたら、どうしますか?…そんな問いをつきつけられる映画です。
登場人物の利害とエゴが複雑に入り乱れます。
観て楽しむ、というよりは、人間について、死刑制度について深く思索を促す作品です。
「三度目の殺人」も観て
同じ殺人と死刑をモチーフにした「三度目の殺人」と「HER MOTHER」を観た。
「弁護に真実など必要ない」と言い切る弁護士が、弁護を担当する殺人犯に翻弄されつつ、
ある境地にいたる「三度目の殺人」。
知能犯が合理主義的な弁護士を深い迷宮へと誘い込む。
司法システムの矛盾をヒューマニストの目線から描いた大傑作である。
しかし、私の心を掴まれたのは「HER MOTHER」。
「HER MOTHER」では、主人公の母が、殺害された娘への愛と、
ある理由から沸き起こるその犯人への共感で引き裂かれそうになっていく様を容赦なく描く。
彼女は他者を見つめ、娘に対する盲目的な愛と向き合おうとしている。
その苦痛にまみれた表情が私の心を揺さぶった。
不足
娘を婿に殺された母親の心情をみせる作品。
上告棄却後の部分は良かったけれど、携帯を隠し続けたのは真実を知りたいよりも娘の立場に立った時に不都合な真実があると考えていたからじゃないのかと感じるし、一審二審の争点や判決とか判決がわからず主人公がどうしてそう考える様になったのか理解しにくい。
弟と旦那はちょっとやり過ぎかなと感じるし、背景がみえないから感情移入仕切れず白々しく感じてしまう部分もあるし、面白かっただけに非常に勿体なく感じた。
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