「劇場で公開しなさい」クローバーフィールド・パラドックス MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場で公開しなさい
ただでさえマニアックなことをしているのに、シリーズ第三弾はNetflix配信作品とは…正直呆れた。このためにNetflixをインストールしたのだが、1ヶ月は無料だったのでまぁ良いだろう。
だがネット配信の作品だとBlu-rayの発売などは可能性が低いだろう。シリーズ全てを揃えて手元に置きたいこちらとしては不憫でしかない。
さて、本作もまた何のことだか分からない作品だった。ストーリー自体は筋が通っており、前作の「10クローバーフィールド・レーン」と同じく楽しめるのだが、結局「クローバーフィールド」自体の全貌が見えないという訳だ。
更には今年の11月頃に第四弾が劇場公開されるそうなのだが、それも本作のようにチラッと関連ワードなどを出し、「続編だけど続編じゃない」スタイルを守っていくに違いない。
今回はがっつりのSFである。宇宙ステーションが舞台なのだが、エネルギー資源が枯渇した近未来の世界が背景となっている。宇宙で危険な加速器の実験を行い、成功すれば地球の人々を救える…あれ、「ジオストーム」?
こんな感じのものがメインストーリーだ。時折地球にいる主人公の旦那のシーンが折り込まれているが、これが意外にも大切なので要チェックだ。宇宙ステーションなどが舞台の作品は近年だと、「ライフ」、「パッセンジャー」などが君臨しているが、船内で何かしらの障害が起こり、危機に陥る姿がどの作品でも描かれている。本作も紛れもなくそうなのだが、他作品に比べるとインパクトはやや薄い。しかし忘れてはならないのが、本作には「パラドックス」というものが生じるということ。これにより「フィラデルフィア事件」を彷彿とさせる、壁から人が出てくるシーンや、体に異変が生じるシーンなどが怖くて素晴らしい。(切断された手は時折キュートだ)
本シリーズの中で、純粋にストーリーに驚かされたのは初めてのことだった。
また、前作にならい、小ネタの繋がりはまたまたふんだんに使われていて楽しい。あの飲料水、「スラッシオ」も登場する他、地球にいる主人公の旦那が避難したシェルターが、全作のそれと似ていたりする。しかし、やはり感極まったのはラスト直前のシーン。ファンは気絶ものの衝撃だったと思う。