天使の入江のレビュー・感想・評価
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ジャンヌ・モローの魅力
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主人公は堅気な父親と暮らす銀行マンの息子。堅実に暮らしていたはずが、この先の自分の波のない平凡な人生がつまらなく思えてきていたところに、スリル満点の勝負師の生活を知り、少しだけのつもりで出かけた、天使の入江と呼ばれる美しい海沿いの街ニースのカジノで魅力的な女性と知り合い、ハマってしまう。
女性は自分で分かっていながら、どうしてもギャンブルから離れることができない。現代なら病院受診必至の依存症である。でも、その心理がとても丁寧に描かれていて、説得力がある。そして男性がその女性から離れることができない様子もまた、丁寧に描写されていて、しょうがないなぁ、と納得してしまう。
二人の落ちていく過程が、善悪の判断を超えたところで、淡々とかつ鮮やかに描き出されていて、私はいつしか人間の業の深さに思いを馳せていた。同じようにラストも想像の余地を残している。二人は更生するとも取れるけれど、また戻ってしまいそうな気もするのだ。
ニースとモンテカルロの二つの街が出てくるのもカジノの奥行きを感じられてよかった。
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