劇場公開日 2018年1月26日

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「構成良し恐怖悪し」ザ・リング リバース Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0構成良し恐怖悪し

2021年7月5日
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「ザ・リング」第3弾だが、前回からかなりの時間を置いての本作の為、今更?なんて思ってしまったりもしたが、サマラの生い立ちや母親にスポットを当てた前2作に対し、本作は父親にスポットを当てている。それを知るとサマラがこれ程までに強い怨念を身にまとっている理由も納得である。構成は良くまとめられており、既存のテーマに上手く現代解釈を加え、新機軸に取り組んだ点は素晴らしい。本作では「テレビをひっくり返せばサマラ(貞子)は出てこれない」という自身の安心材料を見事に消した。なぜなら倒したテレビを持ち上げる様に出てきてしまうからだ。そのシーンは衝撃的だった。
結局前2作のサマラ封印への命がけの努力は一体何なのだろうと思ってしまうが、最近の日本の低品質な「リング」よりもまともに最後まで鑑賞できる。しかし、本作の残念な点は恐怖感が薄いという事だ。過去作や初期のオリジナル版は絶望的な恐怖感があり、それが質を高める要素だったと思うのだが、本作にそれは感じられず、ごくごく一般的なホラーというレベルにとどまってしまっているのである。やはり、映像技術が進歩すれば良いという訳でも無いようだ。だが、「貞子3D」で落胆したシリーズファンは安心して観てほしい。

Mina