「敵は誰なの?」エイリアン・トルネード odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
敵は誰なの?
エイリアンと竜巻がどう結び付くのか、期待が膨らむが元はケーブル向けのTV映画だから期待は禁物でしょう。鮫が空から降ってくるB級映画「シャークネード」があったが似たような話、アメリカ人にとって竜巻は身近な脅威だからそれだけでも怖いのに稲光の竜巻からミミズのような捕食者が出てきて吸い込まれるようだ、そもそも予算がないのでCGシーンは少ないです。
舞台はシカゴ郊外の農村地帯、貧乏な農場主の父と都会に憧れる17才の娘のよくある仲違いを軸に、得体の知れない男たちや頼りない保安官、シカゴの竜巻研究者の女性が絡んで竜巻の謎を追ってゆく。
(ネタバレ)
そもそもエイリアンの竜巻と言っているだけでエイリアンは登場せず軍の反撃も皆無で猛威に晒されるだけ、政府の人間と言っても出てくるのはたった3人、ひたすら事件の隠ぺいに懸命なのはUFO事件と同じと言いたいのでしょう。
それにしてもこの映画、予算が無いせいかエイリアンと闘うのではなく政府の役人が敵役のよう、邪魔ばかりするのでエイリアンの一味かと疑わせる魂胆なのでしょう。
結局、対抗策を編み出すのは農場主の高校生の娘、どんだけ天才なの?、説明らしきものはありますがチンプンカンプン。
過激な戦闘シーンやB級映画に付き物の下ネタがないので子供向け、平時は娘にも疎んじられるダメ人間の父親だがいざとなると娘の為に頑張る様子を描いてハッピーエンド、意外にもほのぼの系でした。
(脱線ネタ)
劇中の伏線でホットドッグの名店が出てくるがシカゴのホットドッグはおいしくて有名らしい、NYのドッグはソーセージだけのシンプルなものだがシカゴのものはビーフソーセージにピクルス、トマト、玉ねぎのみじん切り、ハーブのレリッシュなど盛りだくさんでB級グルメの御馳走らしい。
シカゴの観客受けは良かったろうし本作のようなB級を自認する映画で持ち上げるのにも、B級同志、もってこいということでしょうか・・。