「枠組みは『四谷怪談』、方法は「お化け屋敷」、内容は尻切れトンボ」ラスト・シフト 最期の夜勤 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)
枠組みは『四谷怪談』、方法は「お化け屋敷」、内容は尻切れトンボ
クリックして本文を読む
警察署の夜勤という設定は面白いが、人間が幽霊たちに手玉に取られるという枠組みは、例えば『四谷怪談』の昔からいくらでも繰り返し作られていたパターンで、新味はない。
さらに始まってすぐから奇怪な現象のオンパレードがラストまで続くというのは、お化け屋敷そのもの。趣味の問題もあるだろうが、リアルな怖さを追求する映画が増えてきた中、こうして次々にお化けだぞ~、怖いぞ~とやられては、ホラーファンはそっぽを向くに違いない。
幽霊に操られて、最後に人間が悪事を働いてしまい、地獄に転落するというのもたくさんあったパターンだが、悪人がやられて自業自得だと観る方も納得するのが普通。
本作の場合は、幽霊たちに父親を殺された気の毒な女性がやられるというのだから、心理的にも「なんのこっちゃ」という尻切れトンボの気分になる。丁寧に作ってあるだけに、もったいないと思わざるを得ない。
コメントする