「運か女か、その両方か。」エンド・オブ・トンネル agnix-kさんの映画レビュー(感想・評価)
運か女か、その両方か。
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車いす生活の主人公。なぜ、そうなったのか、どんな暮らしをしていたのかといった疑問が浮かぶ。その疑問を、主人公の部屋を借りるために突然訪れた若い母親が自然な流れで明らかにしていく。何年も手入れされていない荒れ果てた庭。捨てられたかのような小さなすべり台。事故に遭ったかのようにひしゃげた自動車。差し押さえ告知の封書、主人公の妻と娘が写った写真。主人公が潜む地下。そして、母親が連れてきた小さな娘。説明的ではない、この導入、プロローグで主人公の立場、状況がわかる。そして張りめぐらされる伏線。その一つ一つが丁寧に回収され、意表を突く結末へと収斂していく。
「最後は運か女で決まる」という皮肉めいたことばが、この物語のエンディングにまでつながっていくことに気づいた。なるほど、それは人生の真実かもしれないと、思った。
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