バック・イン・タイムのレビュー・感想・評価
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コアなファンのひと向け。私としては大満足
現在の、パーキンソン病のマイケル・J.フォックスが、撮影の過酷さを語っている。当時彼は人気絶頂で、TVシリーズの「ファミリータイズ」を客前で撮影しながら、夜は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を撮影する強行軍で、睡眠時間は移動中しかなかった、なんて、淡々と語っている。
それも、エリック・ストルツを主役に6週間撮影が進んだあげくの、主役チェンジだったので、現場の士気も、なかなか上がらなかったようで、マイケルが初めてマーティー役を演じた瞬間に、その場にいた全員が、この映画の成功を確信したというほど、ピッタリのはまり役だったそうだ。ゼメキスが、この映画の面白さの根っこを語って聞かせる。「エリック版はいつの日か、日の目を見るかもね。」なんて、うれしいリップサービスも。個人的には、ストルツも好きな俳優で、「恋しくて」では、リー・トンプソンと共演しているし、いい映画だったから、彼の演じたマーティーもちょっとだけ見てみたい。
リー・トンプソンは、齢をとった今の姿が、昔、マーティーの母親を演じた時の老けメイクに、絶妙に近づいているのが面白い。
その他、市長を演じた黒人の俳優が、行く先々で「メイヤー!」という名セリフをリクエストされる話とか、ヒューイ・ルイスの作曲秘話、デロリアンを本当に改造してしまったファンの人たちの生き方など、興味深いエピソードばっかりで、実に楽しく見終わった。
ファンじゃない人には何のことだかわからないし、ファン同士なら、みんなで揃って見て、ああでも無いこうでも無いと、作品論を語り合うのも楽しいだろう。
とにかく、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きな人なら、必ず楽しめるドキュメントでした。
ファンのみならずとも面白い。名作に隠された逸話の数々。
【賛否両論チェック】
賛:不朽の名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にまつわる逸話や、作品を愛して携わり続ける往年のファンの姿に、映画というコンテンツの偉大さを感じさせる。
否:パート分けされている必要性はあまり伝わってこない。映像が、インタビューによっては少しブレているものがあるのも残念。
まずは、台本が実際に映画になるまでの製作秘話が興味深いです。映画化をディズニーにかけ合った際に、
「ディズニーが近親相姦の映画を作るわけないだろ!!」
と言われたというエピソードが印象的です(笑)。
そして今もなお作品をこよなく愛し、サポートし続けるファンの存在も、またステキです。夫が余命宣告をされたことがきっかけで、思いきって買いたかったデロリアンを購入して改造し、マイケル・J・フォックスのためにパーキンソン病の寄付を募って全国を走り続けているという夫婦のエピソードが、個人的には好きですね。
もちろん「バック・トゥ・ザ・フューチャー」自体を知っておいた方がイイことは間違いありませんが、作品同様に本作も、大人から子供まで楽しめるものに仕上がっています。
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