劇場公開日 2017年2月4日

「コアなファンのひと向け。私としては大満足」バック・イン・タイム うそつきカモメさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5コアなファンのひと向け。私としては大満足

2023年5月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

現在の、パーキンソン病のマイケル・J.フォックスが、撮影の過酷さを語っている。当時彼は人気絶頂で、TVシリーズの「ファミリータイズ」を客前で撮影しながら、夜は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を撮影する強行軍で、睡眠時間は移動中しかなかった、なんて、淡々と語っている。

それも、エリック・ストルツを主役に6週間撮影が進んだあげくの、主役チェンジだったので、現場の士気も、なかなか上がらなかったようで、マイケルが初めてマーティー役を演じた瞬間に、その場にいた全員が、この映画の成功を確信したというほど、ピッタリのはまり役だったそうだ。ゼメキスが、この映画の面白さの根っこを語って聞かせる。「エリック版はいつの日か、日の目を見るかもね。」なんて、うれしいリップサービスも。個人的には、ストルツも好きな俳優で、「恋しくて」では、リー・トンプソンと共演しているし、いい映画だったから、彼の演じたマーティーもちょっとだけ見てみたい。

リー・トンプソンは、齢をとった今の姿が、昔、マーティーの母親を演じた時の老けメイクに、絶妙に近づいているのが面白い。

その他、市長を演じた黒人の俳優が、行く先々で「メイヤー!」という名セリフをリクエストされる話とか、ヒューイ・ルイスの作曲秘話、デロリアンを本当に改造してしまったファンの人たちの生き方など、興味深いエピソードばっかりで、実に楽しく見終わった。

ファンじゃない人には何のことだかわからないし、ファン同士なら、みんなで揃って見て、ああでも無いこうでも無いと、作品論を語り合うのも楽しいだろう。

とにかく、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が大好きな人なら、必ず楽しめるドキュメントでした。

うそつきカモメ