「切なすぎるラスト。〝感情”が持つ大切な意味とは。」ロスト・エモーション 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)
切なすぎるラスト。〝感情”が持つ大切な意味とは。
【賛否両論チェック】
賛:〝感情”がない近未来の世界で、〝愛”という感情に目覚めた主人公達の葛藤を通して、人間性に対して〝感情”が持つ重要性を描いていくのが印象的。あまりにも切ないラストにも注目。
否:展開は非常に淡々と静かに進むので、思わず眠くなってしまいそう。
やはりこの作品の特筆すべきは、その意味深な世界観です。人類が争いをなくすために〝感情”を失うという選択肢を選び、同時に〝愛”を始めとする大切な感情もなくしてしまった世界。そんな世界で〝誰かを愛する”という感情に目覚めてしまった時、果たしてそれが本当に排除されるべきことなのか、主人公達の深い葛藤に、〝感情”が持つ大切な意味合いについて、思わず考えさせられてしまいます。そして何といっても、すれ違いがすれ違いを生む圧巻のラストも、切なすぎて思わず胸が締め付けられるようです。
ただ設定やストーリーはやや無理がある感もあり、かつご都合主義的でもあります。また、展開もかなり静かで淡々と進むので、興味を持って観ていても、気をつけないと眠くなってしまうかも知れません。
とはいえ、人間の大切な〝感情”というテーマについて踏み込んだ、ある意味異色ともいえるSF映画ですので、是非ご覧になってみて下さい。
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