「ひとえ」君が描く光 津次郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ひとえ
韓国にはひとえがスターダムを得る地盤がある。
代表てきなのは、パラサイトのパクソダム、これのキムゴウン、演技派のハンイェリといったところ──かと思う。
ぜんぜん見ないが、個人的な記憶のなかには子猫をお願いのオクチヨンがいる。長身で、いつもポケットに手をつっこんで、つまんなそうに歩いていた。
好ましく感じられるひとえの女優がいる。
江口のりこが半沢でブレイクしたと言われていたとき、おれん中じゃずっとむかしからブレイクしてたけどね──と言いたかった。
そう言いたかった男は、すごく多いわけじゃないが、一定量いる──と思われる。
だが、この地盤は日本はかなり弱い。
多部未華子はひとえだろうか?吉高由里子は?木村多江は?
日本ではがっつりした(という言い方も変だが)ひとえはスターダムに乗っからない。
がっつりのひとえとは、日本だと例えられるひとがあまりいなくて、たとえば前述した江口のりこやりょうやユーチューバーのそわんわんみたいな人のことを言う。
彼女らは、近寄らないとひとえかおくぶたえかわからない──ことはなく、がっつりのひとえならば、一目でそれがわかる。それが本物の(という言い方も変だが)ひとえである。
すなわち、韓国にはひとえがスターダムを得る地盤がある。──とは、日本との対比にもとづいた意見でもある。
パクソダムもキムゴウンもハンイェリも、かんぜんにがっつりのひとえ。である。
つまり、日本の江口のりこは、長い下積みをへて、ようやく小ブレイクしたわけなのに、韓国にはひとえに市民権があるから主役もはれる。──そのダイバーシティのことをわたしは指摘している──わけである。
整形大国とか貶してみるけれど、あんがい隣国のほうが、幅広い顔を受け容れる多様性=ダイバーシティがあると言っているわけ──です。
むろん、じっさいはどうなのか知りません。
この映画は海女である祖母と孫のふれあいを描いている。零落し迷いそうになった女性が再生してゆくようすが描かれ、感動をさそうが、お涙へ振幅して疲れさせた。だが絵(彼女は絵描き志望)は、とてもよかったし、演技派そろい踏みで見応えがあった。