「デジモンはワープ進化を「喪失」!」デジモンアドベンチャー tri. 第4章「喪失」 オライオンジューダスさんの映画レビュー(感想・評価)
デジモンはワープ進化を「喪失」!
タイトル通り、デジモン達は、『デジモンアドベンチャー』で格好良かったワープ進化を、「喪失」しています。結果的に、進化のシーンが長すぎて、少しストレスがたまる。しかも、全デジモンが一段階ずつ進化するというのを、統一しているならまだしも、アグモン、ガブモンはすっ飛ばし、テントモン、パタモン、ピヨモンはするというテキトーさ。
そして、見終わった後に残る「?」の連続。結局、姫川の自己中計画のストーリーと、何故か記憶も取り戻さず、なあなあで、仲を取り戻す空とピヨモン。そして、あの長かった冒険の間に、徐々に成長してきた「無印」を無視する、いきなり究極体への進化。つまり、あの夏の感動的な冒険は、ほんの数日グダグタ劇で、それを凌駕してしまう…。ここで、一つ言いたいのは、小学生の時の空たちは、なんだったんだ!高校生で記憶喪失のデジモンを究極体に出来るなら、小学生の時でも、余裕で行けるよね!と。
ここで、なぜ、小学生の時は、無理で高校生になって、デジモンを究極体に出来たのか?空とタケル以外は、絶望を超えるという点で納得はある程度までは、行った。しかし、空とタケルはこの第四章で、何を乗り越えたのかが、明示されていない。結果、頭に「?」が浮かんでしまった。
そして、西島は、なぜデジタルワールドに来ない?お前しか姫川を止められる人物はいないだろ!と言いたくなるストーリー。お前は「選ばれた人間」だったんだから、バイフーモン使って止めろよ!と思ってしまった。しかも、デジヴァイスあれば、お前も行けるだろ、姫川行けたんだしと、思ってしまった。
「ゲンナイ」さんの暴走…と同時に、ピエモンとピノッキモンの2体のダークマスターズはリブート後、出てない、「喪失」している。中途半端になぞるくらいなら、新たな敵にした方が、良かったのでは、と思ってしまった。そして、「ゲンナイ」はホメオスタシスにつかえる存在である。(アニメ中のゲンナイの発言より。)ということは、そもそもデジモンが人間界を征服した世界を作りたいということを、ほざいていたが、だったら選ばれし子供達が、何故デジタルワールドに来れたのか?疑問が残る。そもそも、入れなければ、自分でメイクーモンがパニクって、色々とやらかして、くれるからそっちのほうが、ホメオスタシスにとっても、ユグドラシルにとっても好都合ではないか。となってしまうと思う。
そして、第一章を思い出して欲しい。大輔たちは、D-3の効果で服が変わっていた。タケルとヒカリは…変わってない。まあ、細かな矛盾なので、気にしないこととする。しかし、大輔たちは、どこにいる?第四章だぞ!リブートに巻き込まれ、デジタルワールドにいた場合…存在抹消の可能性がある。その場合、今後出てこないとなると、02の最後と矛盾する。となると、現実世界でない、デジタルワールドでもない、どこにいるのか?今後が見ものだ。
後、バクモンって、このちょい役は何?しかも姫川のゲシュタルト崩壊…怖いよ!「思い出しなさい!」とリブート後の子に言っても意味ないことを理解してない低能さ。選ばれし子供達見てれば、わかったでしょ!崖の上から、「ゲンナイ」と見れたでしょ!と突っ込みたくなる。
結果、姫川は人間アンチのイグドラシルに付け込まれ、利用されているとしか、思えない。
そして、リブートした?何故、究極体が?の第三章の伏線が回収されていない。一体、どこで記憶喪失とそうでない一線が引けれているのか?説明が欲しい。
思ったのは、この第四章は特に、ストーリーが手抜き…これ単発として、見ただけではあまりにもつまらない。この長い時間の多くを無駄なシャッフル(テントモンが光子郎を大切な存在と気づくなど、微々たる効果はあるが…)というあまり必要ないシーン、そして、姫川の過去で何故?と思わせた挙句の次回作へのお預け(お預けなのかどうかも少し疑問)、進化時間長い飽きるなど、言わば、この第四章のみへの、不満は多い。(それ以外でも、子供たちの作画とか、最初からのもあるけど。)
後、一つ昔(姫川世代)のデジモンは、小説で述べられていた子供たちとデジモンと見て間違いない。四聖獣への進化、それにともないメガドラモンのみがあぶれる。しかし、四聖獣はシェンウーモン、チンロンモン、バイフーモン、スーツェーモンの他に、この四体を束ねる存在、ファンロンモンが存在する。つまり、メガドラモンの昇天から、メガドラモンのファンロンモン進化とともに、封印された可能性があるのではないかと考える。(参考までに、オロチモン→シェンウーモン、トリケラモン→チンロンモン、ローダーレオモン→バイフーモン、ヒポグリフォモン→スーツェーモンに進化)
つまり、この仮説において、姫川は倒されたメガドラモン(バクモン)ではなく、ファンロンモンに進化して、封印されたバクモンであるため、その封印を、リブートによって、無かったことにするという意味での、リブートであれば、まだ辻褄が合う話となるが、そうでないなら、姫川はただの自己中というだけのストーリーである。ファンロンモンのデジモン図鑑の記述に封印されたのような記述も見受けられるので、間違いなく、西島も封印と言っている。
ここで、過去は四聖獣によって安定していたものが、初期化するというリスクを、今後、太一たちがどう乗り越えていくかが気になる。
これは、個人的に良くなって欲しいし、デジモンが好きだからこそ言っているのであって、決してアンチなどではない。
ここで、問題となるのが、脚本家しかり、監督しかりが、ちゃんとデジモンアドベンチャーシリーズを見て、02の大人になるまでの間を埋めるために、しっかりと見て研究したのかが、疑問になってきた。わざとやっているのなら、納得するが、そうでないなら、作品への、侮辱になりかねないということを、理解して欲しい。中途半端にやるなら、アドベンチャーという冠を付けないで欲しい。何故、アドベンチャーの続編として、triをやったのか?何故、続編という位置付けにしたのか?それがどういう意味なのか?その答えを、第六章までに出してもらえることを期待する。
そして、これは映画だ!観客は金を払って見に来ている。それに相応しい一つ章の構成を考えて欲しい。ぶつ切り過ぎて、焦らされる、イライラがある。ある程度までの一つの章ごとの落とし所を、作って欲しい。特に、この第四章は、それに欠けている。このようなストーリーがいまいちだと、全力でやってくださっている声優さんたちに失礼だし、何よりも見ているファンに失礼!音楽と静止画でごまかすのは、論外!
今回、評価できた点、ヘラクレスカブテリモンとホウオウモンが必殺技を言って、必殺技を出したところ。(どうせなら、セラフィモンも混ぜたやれよ。あのシーン一緒に究極体なってんのに、言わずに、攻撃しちゃってるし。)と過去の小説を元に、四聖獣の選ばれし子供達に触れた点。
結論として、何周も見ることを推奨!とにかくわかりづらい点もあるので。そして、何回も見ると、段々しっくり来て、少し良いと感じたので☆4
まあ、今回はこのへんで、筆を下ろすとして、ごきげんよう!