「映画愛に溢れた冒険活劇」モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ　玉川上水の亀さんの映画レビュー（感想・評価）

本作は、世界累計利用者数３５００万超の人気ゲームアプリ「モンスターストライク」の劇場用アニメーション映画。
「僕だけがいない街」「ハイキュー！！」等のアニメーションを手掛けた岸本卓氏が脚本を担当しているので、ゲームアプリとは一味も二味も違う世界観でストーリーが展開する。
タイトルの「はじまりの場所へ」が表すように、本作では時を遡ってゲームアプリ誕生秘話や、主人公焔レンや仲間たちと人気ゲームキャラクター、オラゴンとの出会いのエピソード等、彼らの“原点”を見詰め直す旅を描いていく。
この旅の中で主人公たちが様々な人々と出会い、経験を積んで成長していくのだが、そこには仲間との友情や父と子の愛情があり、その絆のドラマが心の琴線に触れる。
そして彼らの前には、世界を滅ぼしかねない最強の敵が立ち現れる。
主人公をはじめとした少年少女たちは紆余曲折、葛藤したり、ぶつかり合ったりしながらも、この強敵に立ち向かっていく。
彼らの冒険活劇ドラマの中には、脚本の岸本氏が映画ファンということもあって、「スタンド・バイ・ミー」、「グーニーズ」、そして「アリス・イン・ワンダーランド　時間の旅」を彷彿させるようなシーンが登場したりして映画愛に溢れている。
少年少女たちの心の旅の果て、激闘の先に待ち受けているのは、何とも言えない温もり。
デジタルテクノロジーの産物であるゲームアプリを基に製作された本作は、それに反してアナログチックなロマンや魅力が溢れていて、子供時代の郷愁が蘇ります。