「寒い頭皮とオツム」スラヴォイ・ジジェクの倒錯的映画ガイド2 倒錯的イデオロギー・ガイド いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
寒い頭皮とオツム
『今からおよそ120年前、フランスのルミュエール兄弟によって世界で初めて上映されたとされる映画は、遠くから近づいて来る列車を撮影したものでした。映画を初めて観る当時の観客達は迫り来る列車を現実の列車だと思い込んで、大慌てで劇場から逃げ出した、という伝説的な逸話も存在します。
理解を超えた奇妙な出来事の前では私たちも120年前の観客達と変わらないのかもしれません。』※2016年秋 奇妙な出来事より
およそ昔の人達はその自分の人生の平凡さ、いや恵まれ無さを一瞬でも忘れさせてくれる、そして今までもこれからも経験することのない出来事を疑似的に追認できる魔法の装置であるところの『映画』の発明を大変喜んだであろう。それは現在に至るまで揺るぎはなく、映画に思いを込め続けるのである・・・
そして、小生も又、足りないオツムを忘れたいと願い、こんな難しい映画にチャレンジしてみた。映画をイデオロギー的に分類し、解説していく。哲学?経済学?社会学?政治学?兎に角、随分前に通っていた記憶が曖昧な大学時代にタイムスリップする感覚で、本作品を鑑賞。
ム、、、ムズカシイ・・・ 何いってるんだか、サッパリ分からん。講師であるこのスロベニア人のドイツ語?ロシア語?訛りの英語に引っかかりの悪さも相俟って、トコトン理解できん。理解できない内からドンドン字幕が切り替わる。そんな人間が次に襲われるのは、睡魔。このやっかいな悪魔と闘いながらの鑑賞に相当手こずった訳である。
で、結論とすれば、それなりの犠牲を払わないと得られないということなのだそうだが、まぁ当然の話に帰結したようで・・・
完全にインテリジェンスの作品でした。一つ、面白いところは、各映画のそれぞれのシーンのセットや背景を再現して、その中に潜り込んで解説するという演出。再現度が高かったので、そこは興味を引かれた。