「行動を起こすこと」ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち 由由さんの映画レビュー(感想・評価)
行動を起こすこと
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ニコラス•ウィントン氏は、たった1人で、公的機関でもないにもかかわらず、他国に支援の手紙を送ったり、困っている難民の姿を見て自分にできることはないかを探し、行動した。その姿は、人として敬われるべき姿勢だと思った。
また、映画の中で印象的だったのは、子どもたちがイギリスに向かう途中の列車のエピソードだ。かつての子どもたちは、発車後しばらくはドイツ軍に怯えていたが、オランダに入ると、民族衣装の女性が温かいココアと白パンを配ってくれたという話を、明るい口調で話した。そのときの子どもたちの心情を思うと、人の優しさがどれほど周りを幸せな気持ちにするかを実感できる。
しかし、ニコラス•ウィントン氏の助けにより出国した子どもたちが生命を救われたのは本当に良かったけれど、子どもと離れることを余儀なくされた親の気持ちを思うと、想像するだけでも辛く、胸が痛んだ。
当時、あのような悲劇が起こらないようにするために、ニコラス•ウィントン氏のように、何かできることはなかったのだろうか。平和を享受していると、真剣に考えることをやめてしまいがちだけれど、親子が普通に暮らせるためにも、当時なぜあのようなことが起こったのか、できることはなかったかを、考え続けなければいけないと思う。
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