「珍作を超えたクライマックスの電撃的なカッコよさ。」変態だ バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
珍作を超えたクライマックスの電撃的なカッコよさ。
イラストレーター/デザイナーで“ソラミミスト”として知られる安齋肇の初監督作。原作と脚本はみうらじゅんで、18禁ポルノ扱い。ゆるいおじさんたちがふざけて作ったと多くの人が思うだろうし、その判断は決して間違ってはいない。
が、同時にまったく予想外の快作だった。大きく四つの章に分かれ、それぞれに青春映画、濡れ場ポルノ、サイコスリラー、そして最後はとんでもないサバイバル劇。映像は強烈にカッコいいし、ミュージシャン前野健太の煮え切らない役者っぷりもみごと。
「変態」要素についてはミもフタもない脱力ギャグだと感じたが、問答無用でその先のとんでもない地平まで連れて行ってくれる凄味がこの映画にはある。
クライマックスはバカバカしさが天井を突き破り、もうただただカッコいい。こんなにカッコいいビジュアルは久々に観た。眉をひそめる人がいて当然だが、バカ映画でありつつもバカ映画を超えた特異な事件だと思う。
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