「伝説と傲慢」アイ・ソー・ザ・ライト 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
伝説と傲慢
まずハンク・ウィリアムズを知らない。
米カントリー音楽に於いて最も影響力のあるシンガーソングライター。
29歳で急逝。活動期間は僅か6年ながらヒット曲も多く人気を誇ったらしいが…、
例えその歌手を詳しく知らなくても歌を聴けば…という事はあるが、歌も一つも知らない。
なのでその活動や同じく舞台に立ちマネージャーも兼ねた妻オードリーとの夫婦愛と言われても、感情移入出来るものナシ。
ボブ・ディランもほとんど知らなかったが、それでも『名もなき者』は自身のスタイルを貫いた姿とティモシー・シャラメの名演に魅せるものはあった。
本作もトム・ヒドルストンの熱演と音楽パフォーマンス、エリザベス・オルセンの好助演などは良かったが(最も、ロキとワンダだ~とばかり思ってた)、演出自体はよくあるレジェンドミュージシャン伝記の典型。
妻オードリーと度々衝突。それでも子供も産まれ、やっと穏やかな時が来たかと思ったが…、
人気になり、夫婦間はぎくしゃく。酒や女に溺れ、遂には離婚。
ある時なんか、妻が友人を招いた時、荒れた精神状態のハンクは銃でお遊び。
本当にこんな傲慢ヤベー奴だったの…?
カントリー音楽史に名を残し、波乱万丈の生涯を送り、若く非業の死を遂げたのは分かったが…、
ちょっと悪いイメージも付いてしまったのも正直に。
私には光は見えなかった。
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