劇場公開日 2016年11月25日

「詩的で叙情的な世界観。愛を求めた女性の哀しい半生。」L エル 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0詩的で叙情的な世界観。愛を求めた女性の哀しい半生。

2016年12月8日
PCから投稿

悲しい

単純

知的

【賛否両論チェック】
賛:愛を知らなかった主人公が、その半生の中で様々な愛と出逢い、葛藤していく様が、美しくも切ない。様々な愛の形が描かれるのも印象的。
否:フルCGで彩られた町並み等、人によっては違和感を覚えてしまうかも。

 愛を知らないままに育ったエルが、その波乱万丈な人生を通して様々な愛と出逢い、時には裏切られながらも必死に生きていく姿が、Acid Black Cherryの楽曲と共に、非常に切なく描かれます。
 同時に、そんな彼女の愛を独占しようとする者や、利用しようとする者、そしていつまでも変わらずに待ち続ける者等、様々な人々の愛の形が対比されるのも、思わず考えさせられてしまいます。
「変わってほしいものはいつまでも変わらないのに、変わってほしくないものはどんどん変わっていく。」
というエルの言葉が染みますね。
 フルCGの町並みや楽曲の好み等、好き嫌いは分かれそうな作風ではありますが、シンデレラとどこか重なるような、まるで昔話のような不思議な世界観の作品です。気になった方は是非。

映画コーディネーター・門倉カド