「長い旅の始まり」西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
長い旅の始まり
三蔵法師らと出会う前の孫悟空を描いた、いつぞや見た『モンキー・マジック 孫悟空誕生』の続編。
前作ではドニー・イェンが悟空を演じていたが、今回は前作で牛魔王を演じていたアーロン・クォックが悟空役というへんちくりんなキャスティング。でもまあ、ずっと特殊メイクだから問題ないか。
今回はいよいよ我々がよく知る“西遊記”になる。即ち、
五行山に500年閉じ込められていた悟空は、三蔵法師によって自由の身となり、お供に。猪八戒と沙悟浄も仲間に加わり、天竺を目指す…。
やはり『西遊記』と言ったら、これ! 中国製だが、あの曲が聞こえてきそう。
一行に立ちはだかる敵は、白骨夫人。
…よく知らない。
日本のTVドラマ版やドラえもんの『パラレル西遊記』にも未登場だが、牛魔王や金角・銀角に並ぶ人気有名キャラらしく、スピンオフの作品もあるとか。
妖術を操り、他人に姿を変え、生気を吸い取る。
コン・リーが妖艶さとたっぷりのCGで存在感。
白骨夫人が狙うは、三蔵法師の命…。
旅を始めたばかり。三蔵法師と悟空は何かとぶつかる。
非暴力の三蔵法師に対し、暴力や殺しも厭わない悟空。しかもそれが三蔵法師を守る為なのだから皮肉。
三蔵法師の言う事も分かるが、ちと融通の利かない所も。悟空は確かに暴れん坊だが、三蔵法師の命を狙って化けた敵を倒したまで。だが、分かってくれない…と言うより、相手が誰であろうと殺しはご法度。こちとら守ってるのに!
罰で頭の金輪の締め付け。
不満や双方の摩擦が濃く…。
白骨夫人はそこに目を付けた。
罠を仕掛け、三蔵法師と悟空の関係を裂く。
悟空に近付き、言葉巧みにそそのかす。
白骨夫人の策略にハマり、三蔵法師と悟空の仲違いは決定的に。三蔵法師は破門を申し付ける。
猪八戒と沙悟浄に三蔵法師を任せ、悟空は去る…。
その隙を付き、白骨夫人は三蔵法師を捕らえる。
猪八戒と沙悟浄は救出に向かうが、敵勢に苦戦。
その頃、悟空は…。
如来様に事の次第を告げる。
如来様からお言葉。本当はお互い必要としている。
再び使命に目覚めた悟空。和尚様の元へ!
クライマックス。ハリーハウゼン作品のような骸骨兵や巨大骸骨になった白骨夫人vs悟空は、少々CG感丸出しだが、ビジュアルや見せ場的にも充分。
コミカルで子供向けではあるが、三蔵法師と悟空のドラマもしっかり描かれ、今回も娯楽作として楽しめる。
ラストは意外。
哀しき過去の白骨夫人。転生後を導く為、共に死を選ぶ三蔵法師。
その命を悟空に。和尚様の懇願を断腸の思いで受け入れる。
もし縁あれば、再び転生し巡り会えるだろう。それがまた500年後でも。
自らを犠牲にしてまで他者を導こうとする三蔵法師に頭が下がる。
それまで待ち続ける事を誓う悟空。
天竺までの旅はどうなるのか…?
石像と化した三蔵法師が…。次回へ続くような終わり方。
3作目もあるようで、勢いで見ちゃおうかな。
自分も観た時はへんちくりんなキャスティングだと思いました(笑)。
まあ、ドニー・イェンのときも色々へんちくりんでしたが(笑)。
しかも、今作はラストがあんな形だったのでかなりモヤモヤしました(笑)。
このシリーズのことを完全に自分の中で忘れ去ってたんですが、知らない間に3作目が公開済みだったんですね(笑)!
機会があればモヤモヤした続きを観ようと思います!