「サンパウロ州立交響楽団(OSESP)のオーディションで1音も音を出...」ストリート・オーケストラ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
サンパウロ州立交響楽団(OSESP)のオーディションで1音も音を出...
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サンパウロ州立交響楽団(OSESP)のオーディションで1音も音を出せず落選したヴァイオリニスト、レアルチは失意の底から立ち上がるきっかけを求めてファベーラ(貧民窟)にある高校の弦楽部顧問を引き受ける。練習中にお菓子を買いに行ったりケータイで話したりと全くやる気のない部員のデタラメなスキルに頭を抱えたが、彼らのなかに微かに才能を光らせる熱心で物静かな少年サムエウを見出す。サムエウを中心に飛躍的に成長する部員達だったがある事件で悲しみのどん底に突き落とされる。
”共に学んだ全てのこと”というタイトルを冠したサンパウロのファベーラを舞台にした管弦楽版"腐ったミカンの方程式"。サンパウロの街を象徴する曇天とファベーラの醸す不穏な空気感の中で思い惑う子供達に寄り添うように奏でられるクラシックの定番曲の数々とご当地ヒップホップの対比がユニーク。ひっそりとした佇まいのラストシーンが溢れた涙で霞む中で湧き起こった場内の大喝采に驚きました。
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