コンビニ夢物語のレビュー・感想・評価
全1件を表示
単発ドラマなら悪くなかったが
東京から但馬へ帰郷したコンビニ店長の主人公・幸一が、コンビニの無い郷里で半ば強引に開業し、親父や故郷の人々、そして主人公の上司でもある10以上年の離れた内妻・京子(バツイチで16歳位の娘同伴❗)との揉め事や蟠りを経て大団円するという作品。
出演者各々の演技は悪くないものの、設定やプロットが突っ込みどころ満載のハチャメチャな粗粗しいもので、残念ながらお金を払って観たい・人に薦めたいと思える作品では無かったです。
▼母親ほど歳の差がある京子に好意を抱く事は普通あり得ない(引く)。コンビニ出店以前に、子連れの京子と結婚予定であることに異議を唱えない親父や商店街の人たちがどうかしている。
▼コンビニ社員の独立開店に1千万円必要とあるものの、幸一が町金融から調達して直ぐに窮地に陥る点。信用金庫が作品の協賛にあるのに相談しなかったり、店舗数を競うためにチェーンを買収するようなご時勢、本部の融資など開店支援する制度を取り上げないのも違和感あり。
▼不倫で出て行った京子の前夫は働かなかったと言いつつ、開店資金相当の慰謝料を受け取っている点。
▼コンビニチェーンの協力が得られなかったにせよ、商店か物産店をコンビニに見立てた水簿らしさ。小道具でPOSレジが置いてあるのにレジ打ちしないのは…。
▼駅や商店街・スーパーが無い町村にコンビニが出店すれば生活必需品を入手できることで永く住み続けられることになり有難く歓迎されるものを、ありきたりな騒動をこれでもかと見せて観る側に目新しさを提供させない点。
総括すると、マイチャミーやホットスパーのような零細チェーンが出店を競っていた30年前に公開されていたのであれば、観るに耐えられた内容だと思う。
今の時代に製作するならば、流通業界から情報収集や制作協力を取り付けて、原作内容に拘らない「未来のコンビニ像」を描いてもらいたかった。そっちの方が映画慣れしたローソンなど製作に名乗りを上げるチェーンも出てきたはず。
おそらく制作スタッフが映画経験が浅く、スポンサー(製作者=原作者)の意向をテレビ番組のように尊重することに重点を置きすぎて自由が働かなかったと察するけれど、ここまで作り手の時代錯誤感を押し付けるのであれば、お金を取る映画ではなくテレビドラマで流してもらいたかった。
そもそも原作本が封切と同時発売って、自費出版ではないかとも。
今日池袋で観たところ、自分が購入した中央の指定席に原作者(元代議士)の知人の方が堂々と座っていたのには一瞬血が上りました。
※招待でも席指定があるハズですが(^^;)
そのような内輪の方々を含めても場内は10人以下だったので、商売を描いた映画にも関わらず、興行的には散々たる結果になりそうです。
全1件を表示