「レーガン&ナンシー」勝利への潜航 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
レーガン&ナンシー
1957年公開の白黒映画です。映画の作戦は実在の米国海軍副提督チャールズA.ロックウッドの書いたノンフィクション小説「Hellcats of the sea(1955年出版)」に基づいている。太平洋艦隊の潜水艦司令官ロックウッド中将役はモーリス・マンソンが演じているがご本人は映画の技術監修として参加。冒頭のミニッツ提督は本人、劇中はセルマー・ジャクソンが演じています。
時代は1944年~大戦末期、舞台は日本海、大陸、朝鮮半島との海上輸送路を断ちたい米国だが音波探知機に反応しない機雷群に阻まれ米国潜水艦は容易には海域に入れなかった。そこでアボット艦長率いるスターフィッシュ号はステルス機雷回収の任務に就くのだが作業中の潜水夫の一人が戻らぬ内に駆逐艦が迫って来たためやむなく艦は急速潜航する。この一件を巡ってアボット艦長を責めるランドン副長、映画はこの二人の確執と信頼の回復の過程がテーマのようだ。
ややこしいことに死んだ潜水夫(バートン中尉)と艦長は看護婦のヘレンを巡って三角関係にあったことから恋敵を見捨てたとの邪推まで絡んでくる。ヘレンは潜水夫とは何もなかった、誤解と宣う。
戦争ものなのだがメロドラマのような展開で雲行きが怪しくなってきた、また演じているのがロナルド・レーガンと映画の5年前に結婚したナンシー夫人だから厭が上でも興味がそそられる。まさか映画の10年後(1967)にカリフォルニア州知事、24年後(1981)に大統領とファースト・レディになっているとは、事実は小説より奇なりですね。
潜水艦映画としては緊張感も薄く大したことはないのですが、このご両人共演作と言うことで後になって脚光を浴びることになったようです。