「みんな、優しくすることに飢えている」バットキッド ビギンズ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
みんな、優しくすることに飢えている
他人に優しくすることは、自分自身も癒されるということを改めて教えてくれた作品。 誰かを助けたいという純粋な気持ちは、独りよがりのようでいて、決して独りよがりではない。
誰か一人を幸せにすることが時には批判を呼ぶこともあるけれど、同じように苦しんでいる人に「もしかしたら私にも誰かが手を差しのべてくれるかもしれない」という希望を与えられるのだとしたら、決してやる価値がないとは思えない。
助けられた人が今度は人を助ける側になるという話はよく聞くし、そうやって支援の連鎖を広げていけばいいと思う。
本物の市長がゴッサムシティの市長を演じたり、公道の一部を閉鎖したり、メジャーリーグの球場を使ってマスコットキャラクターの誘拐劇をしたてたり、これほどの規模のチャリティーは日本ではできないな、と思うのも事実。
批判されるかもしれないからやめよう、ではなく、批判がこないくらい良いものにしよう!とリスクを潰しながら実現させていくアメリカ人の行動力は見習いたい。
参加した人にとって、苦しい時にこのときのことが励みになると思う。「あの夢のような時間は何だったんだろう?」 って。そうやって国中に同じ感動を分かち合った人たちがいて、善意の火をまた心に灯すんだと思う。
人と人は点と点かもしれないけれど、スーラの点描みたいに沢山の良い行いが重なれば、世界が善意で埋め尽くされるのに。そう信じさせてくれるいいお話でし た。
当の本人の少年は、知らない人たちが喜んだり笑ったり踊ったり不思議!と思ってるだけにしてもね(笑。
本当に心を癒されたのは、周りにいる人々、参加した人々かもしれませんね。 そして映画を見た私も、癒やされました。
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