「蠱惑的な リリス」リリス jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
蠱惑的な リリス
リリス、アダムの最初の妻(イヴの前 )だった説…
患者リリス(セバーグ)は同じ名前なことから
自らを彼女に重ねているようで
男も女も子供(男の子)も誘惑する
統合失調症というより〈ニンフォマニア〉みたい
これは ニンフが語源で、彼女も水辺の精霊みたいだから 暗示しているんだろう
振り回される スティーブン(フォンダ)とヴィンセント(ベイティ)
そして引きずり込まれる
混乱するヴィンセントは 昔の恋人を訪ねてみるが、正常と思われる彼女と その夫の暮らし振りも(無神経さも)あんまりで…
正気って何? とも思わされる
救われないヴィンセント
〈リリス〉の化身になっちゃった様な
美しく怖い女を セバーグが好演している
画面も美しいが、正気と狂気の境界の曖昧さ、
人の心の複雑さも感じさせる、不思議な趣の映画だった
精神科の医者は どんな感想を持つだろうか
コメントする