「映画<小説」少女(2016) U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
映画<小説
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原作は未読だけど…きっと小説の方が何倍もいいんだと思う。
全ての登場人物を誰かに投影できるし、創造できるから。
各人の中で膨れ上がる「少女」の世界観とバックボーンに映画では追いつかないような気がする。
それでも、よく出来た脚本だったと思える。
現実と心象風景の切り替わりが、前半は多く、転換が必要だったりもするけど、10代の苦悩と閉塞感をよく表現してくれてた。
「想像の中の現実」
そんなものはないのだが、今の世では誰かがついた嘘が、簡単に真実に転ぶ。
そしてろくでもない信憑性が付加され、口伝されたりする。
そういうものに振り回される未熟で幼い魂達に同情もする。
そんな内容だからこそ、登場人物のモデルは自分の半径500mの人が望ましい。
朧げな嘘が真実に変貌していく過程を体験できるのかも。
絡まる人間関係は、小説の方が時間をかけてその線を濃く太くしていけると思う。
映画では…結果しか提示できない、のが、もどかしい。
主役の片割れは、声を作らない方がいいんじゃないか?
映画に挿入されるリアルの欠片が、歪な状態で迷子になっちゃうような気がする。
刺される父親とその息子には、頑なな説得力を感じてた。
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