「初見でも恐らく最高。予習度で満足度はさらに加速」ザ・フラッシュ えさんの映画レビュー(感想・評価)
初見でも恐らく最高。予習度で満足度はさらに加速
上映開幕からフラッシュがどのようなキャラクターであり、この作品のスタンス(コミカルな作風であること)を提示してくれる。いきなりバットマン、ワンダーウーマンも登場して開幕からクライマックス級の映像が見れて鳥肌立ちっぱなし。
当初は展開が早足でまさにフラッシュのキャラクターのような映画だなという印象があって特に字幕だとバリーの家族のこととか設定とか初めて見る人には分かりにくいかもなと思っていたが、途中そこもしっかり描いていて良かった。やたら18歳バリーの友達の件が長かったけど伏線か原作関係?崩壊する世界の住人だけど。。
全体的な話は所謂タイムリープもののオーソドックスな話だと言えると思う。自分自身が敵だった。自分が過去を変えて大事件になったからまた元に戻す。というのは正直普通に予測できる。ただし、ここに作品の歴史があるからできる作品そして時代を超えたクロスオーバーを見せられるとやはり鳥肌は立つ。ベンアフレックバットマンとマイケルキートンバッドマン別世界のバットマンがそれぞれのガジェット戦闘が同じ映画で観れるのはファンには最高ではないか。
気になる点を挙げるとすれば次元の崩壊で出てくるのが各世界のスーパーマンだけというのは少し残念。
バットマンやそれこそドラマ版のフラッシュやグリーンランタンやDC世界の広さが見たかった。どうせフルCGなのだから実写化の有無に関わらずキャラクターはいくらでも出せたはずだ。
あとやはりヴィランも今ひとつだと感じた。既に一度登場しているし、なによりヒーロー作品で負けエンドというのもなかなか渋い(テーマ上仕方ないのだが)。とは言っても個人的にはこの完成度なら別にいいけどねぐらいの感覚だ。
最後のママとのシーンはスピードフォースの青色の効果を周囲は感知できないバリーだけの心情世界として描かれていて、その感情が悲しいほどに伝わってくる。
赤の他人として母に会いに来たというバリーとママがハグした際の会話が素晴らしく、ママはこの青年が彼の母に会いに来たという意味で素晴らしい息子だと伝えるのだが、これはバリーに対して自身(ママ)に会いに来てくれた息子に伝えているとも見ている客席には感じ取ることができて、悲しいお別れでもバリーが少し救われたと感じることができるのだ。
鑑賞前に急いで必要そうなものだけさらっと予習した自分の様なにわかでもニヤッと出来るセリフや演出があったので長年追いかけている人やガッツリ予習している人には堪らない作品だと思う。最後の最後まで豪華な映画だった。
主演のエズラ・ミラーはこの1人二役は大変だったろうなと思った。