「圧倒的なエンタメ感、娯楽作品として極上の出来映え。でも、、、敷居は高い。」ザ・フラッシュ アルさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的なエンタメ感、娯楽作品として極上の出来映え。でも、、、敷居は高い。
コミカルなアクションシーンで観客の興味を掴みつつ、実はヒューマンドラマだったという号泣の脚本。そしてバットマンやスーパーマンといった昔に観たヒーローを懐かしみながら、ニューヒーローの成長を楽しめる懐の深さ。
とは言う物の、物語自体は特別に変わった所もなく何処かで観たような内容。というかマルチバースはもうさすがに食傷気味。MCUだけでももうお腹一杯。それがDCまでというのだから、飽き飽きしてしまう。特にヒーロー物はお約束の展開になる分、既視感も否めない。
それでも高評価にしたのは、個人的に琴線に触れまくった脚本。スピード感を分かりやすくした演出、随所に散りばめられた【過去作】や【BTTF】へのオマージュ、キャスト達の再登場も本当に良かった。ゾッド将軍演じるマイケル・シャノン的には不満も残ったかもしれないが、あくまでも主役はバリー・アレン。本作の“導入部分”を大事に大事に最後まで温めたのは流石。バリーの辛かった十数年、渇望し続けた“母の愛情”。過去を乗り越える強さ、バリーとバリーの成長、エズラ・ミラーの素晴らしい演技は必見。
個人的にはスーパーガール演じるサッシャ・カジェがハマり役。哀しさと強さ、何処か憂いが感じられる眼差し。そして言葉に出来ない何とも言えない素敵な魅力。今後がとにかく楽しみ。
アメコミが好きな人、ヒーローに興奮する人、バットマンに思い入れがある人、スーパーマンが懐かしい人、DCやMARVELを欠かさず観てきた人、頭空っぽにして映画を楽しみたい人、母の愛を求めている人。オススメです。