「Salute Your Solution」ザ・フラッシュ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Salute Your Solution
公開がだいぶ前にアナウンスされていた気がしますが、色々とゴタゴタがあり結構ずれ込んだタイミングでの公開に。お陰でDC作品を予習することができたので良かったのかなぁと思います。
フラッシュやるじゃねぇか…!と何度も何度も唸ってしまいました。フラッシュならではの高速移動をフル活用したアクション、マルチバースの中でも分かりやすさを重視して作られたストーリー、次へと繋げる感じもサクッとしていてとても楽しめました。
冒頭の街中パニックを救出しに行く様子、朝飯オーダーしているのに呼び出されて、爆速で着替えて現場まで移動する様子がコミカルに描かれていて面白かったです。
バットマンの後始末ばかり任されているフラッシュがしっかりと救助をするのでヒーローとしての風格がバシバシと伝わってきますし、赤ちゃんたちが危険に晒される中、フラッシュの速さと周りのスローな状況をフル活用して赤ちゃんをレンジに入れたり、直別に並べて担架に乗っけたりして助けるシーンがはちゃめちゃで観ていてワクワクドキドキしました。助けられた後に看護師さんが絶叫しまくってて爆笑しました。
高速移動の代償としてめちゃくちゃ腹が減るというのも、古き良きヒーローだなぁと思いました。むちゃくちゃ高カロリーなサンドイッチを注文したり、病院の救出の際に自販機から取り出したフードを口いっぱいほうばったり、母親の手作りパスタをガツガツ食べて口の周りベチャベチャになったり、腐ったブロッコリー食ってみたりと空腹には事欠かないです。
現在と過去を行き来できることを発見したフラッシュが、亡くなった母親を救うために過去を変えようとする中で、その当時の自分と出会い、なんやかんやで能力を同じように授かろうとしますが、間違って2人とも食らってしまい、現代のフラッシュは能力を失ってしまうという超絶ピンチな状況に陥りますが、青年フラッシュはそんなこと気にせずキャッキャはしゃいでて面白かったです。
フラッシュの高速移動を他人に使うと三半規管が刺激されまくって嘔吐が止まらない描写はリアルだなと思いました。その恐ろしさが分かってるからこそ危惧していたのに、青年フラッシュは知らないから大変なことに…。力の使い過ぎには注意ということもしっかり描いていて好感が持てました。
マイケル・キートン演じるバットマンはまだまだ健在で、静かな狂人という感じがあってとても良かったです。サッシャ・ガジェ演じるスーパーウーマンのチート的なパワーには笑ってしまいましたが、彼女の単独作も見てみたいと思わせてくれる活躍っぷりでした。ゾッド将軍の強さはもっと見せてほしかったです。
終盤、マルチバースが複雑になりまくってかなり混乱しましたが、吹き替えで観ていたのが功を奏したのか、ギリギリ理解することができました。これ字幕だったら脳がショートしてたかもしれませんでした。1時間ほど前に観たスパイダーバースが字幕で頭をやられたので、この選択は正しかったです。
フラッシュでまさか涙腺を刺激されるとは思わないじゃないですか…!ヒーローものでも親や兄弟、大切な人との別れは幾度となく描かれてきましたが、フラッシュが両親を愛していたからこそ、タイムループでもどうにもならないものがある悲劇をやり直さず、その人の分も人生を生きる選択をしたのが、とても心苦しいものもありつつも、バリーの涙と母との抱擁にはグッと来ました。
エンドロール後の映像、ヒーロー映画には必須ものだと思いますが、最近のMARVELがドラマとかを観ていないとちんぷんかんぷんなものになっていたのに対して、フラッシュのエンドロールはベロンベロンに酔っ払ったアクアマンをフラッシュが介抱するという次に繋げつつもユーモアを忘れないものになっていてほんわかしました。自身が手に入れた宝物を飲み代に変えようとする姿とか、水溜りでぶくぶくしたりとか、ジェイソン・モモア…!とニヤニヤ観れました。
アクションにコメディにストーリー、DCが好きだからこそ、この作品を待っていた!という気持ちにしてくれてとても嬉しかったです。
アンディ・ムスキエティ監督、本当に「IT」を作った監督なのか?という疑問を置き去りにしてしまうクオリティの高さには脱帽です。これからもDCにはホラー映画製作に携わった人たちをガンガン起用して欲しいです。DC完全復活の狼煙です!
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 15:20〜17:55
座席 I-9