「自責の念に駆られる作品」AMY エイミー Misaさんの映画レビュー(感想・評価)
自責の念に駆られる作品
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10代にして聴く人の魂を震わせるようなhappy birthdayを歌うエイミー。
歌が好きで音楽に自分の居場所を見つけ、
生き生きと活躍する姿は本当に輝いていて美しい。
でも結末はみんなが知っている。
そこに転げ落ちていく彼女の姿を見るのは本当に辛かった。
私はスキャンダラスな面から彼女を知ったので、
彼女を追いつめていくパパラッチたちを「なんてひどい奴ら!」
と思いつつ、自分もそっち側にいたんだと思い出して嫌な気分になりました。
映画はお友だちや関係者のインタビューで進められ、
顔出しでインタビューに答えるのはモス・デフぐらい。
あとはほとんどが声だけの出演で淡々と進みます。
そこに挟まれるエイミーの歌声。
彼女の歌声が重く響くのは、
その時々の思いを全部曲として吐き出した重さなんじゃないかと感じました。
映画では誰がエイミーを追いつめたのか、犯人探しはしていない。
ただ、見た人は絶対
「ブレイクこの○ソ野郎、絶対許さない」とか
「オヤジ、それでも父親か!」と思うはず。
彼女をデビューさせ支えてきた
最初のマネージャーのニッキーが葬儀で号泣する姿
…それは遠くから撮影されていて表情は分からないけれど、
とても悲しく、涙が出ました。
27年の人生を疾走していったエイミー。
私は彼女が歌うビリーホリデイの「fine and mellow」が聴いてみたかった。
自分に何か出来たわけではないのに、なぜか自責の念に駆られる、そんな映画でした。
そしてエイミーワインハウスはすごい歌手だったと改めて感じました。
最後に流れる「Valerie」とても好き。彼女らしい一曲です。
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