「地味だけど」私はゴースト tokyotonbiさんの映画レビュー(感想・評価)
地味だけど
クリックして本文を読む
展開は工夫されていて面白い。最初から最後まで舞台は変わらず、登場する人物もお化けである二重人格の少女と別人格とされる男性の一人。
ラストの上の階から別人格(真っ白で不気味な男)が降りてくる様子も不気味。
トラウマの場所がはっきりと示されず、仕置部屋の暗室という現実的でシンプルな所がくる。
ラストも物悲しい。屋敷で自殺し死んだことに気付かずに同じ行動をずっと繰り返してる。
現実と繋がるのは声だけで、霊能力者に感じていたものは幻だと言われる。それを証明するドアの外の暗闇も怖い。
霊能力者に成仏のことについて聞いていた話、そこから後に見せられる光景が希望を感じさせることなく、ホラーとして後味悪く終わる。
最後に刺し刺されるお互いがドッペルゲンガーのように体から抜け出して、別人格の象徴である男性が普通の人間のように泣いて戸惑う姿、霊能力者を呼んで「光が見えない!」と叫ぶ主人公が、I'm a ghostと繰り返しながら闇に飲まれていく様子は見ていて苦しい。
寂しい恐怖を感じさせてくれるいい映画だった。
コメントする