「【今作は、DV&レイシストの父の美しき娘を演じたリリアン・ギッシュの儚い美しさと、中国人青年との悲恋を描いた哀しくも抒情的な作品である。100年以上前の作品とは思えない見事なる作品でもある。】」散り行く花 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、DV&レイシストの父の美しき娘を演じたリリアン・ギッシュの儚い美しさと、中国人青年との悲恋を描いた哀しくも抒情的な作品である。100年以上前の作品とは思えない見事なる作品でもある。】
■スラム街に暮らす少女・ルーシー(リリアン・ギッシュ)は愚かしきDV&レイシストの父親バロウズから、日々虐待を受けている。ある日暴力に耐えかねて家を飛び出した彼女を中国から布教のためにやって来たチェン青年が助けるが、その事を知ったボクサーでもある父は二人の居所を探し当てるのである。
◆感想
・リリアン・ギッシュは老年期の名作「八月の鯨」は鑑賞しているが、若き姿は初鑑賞である。儚げな作中”白い花”と呼ばれる娘を演じているが、その美しさが際立っている。
・物語は、起承転結がハッキリしていて分かりやすく、だが、その中には確かなる抒情性が漂っているのである。
・ルーシーが父から虐待を受けている時に、無理やり笑顔を作らされるシーンからの、彼女が愚かしき父の暴行により、息絶える瞬間に自ら手を口に当て、笑顔を作る姿は、余りに切ない。
・そして、チェンが彼女のためにバロウズの脅しに一歩も引かずに復讐を果たし、息絶えた彼女が眠るベッドの脇で、自ら後を追うシーンも切ない。
<今作は、今から100年以上前の作品だそうであるが、今観ても十二分に物語のプロットがしっかりとしており、王道の作りになっている事に驚く。
そして、この作品の抒情性を醸し出しているのは、間違いなく儚い”白い花”と呼ばれる少女を演じるリリアン・ギッシュの美しさなのである。
彼女を命を懸けて助けようとする中国人青年チェンと、愚かしきDV&レイシストの父親バロウズとの対比も、人間の善性と悪性を分かりやすく示しているのである。
今作は、DV&レイシストの父の美しき娘を演じたリリアン・ギッシュの儚い美しさと、中国人青年との悲恋を描いた抒情的な作品なのである。>
コメントする