ゾンビ・ソルジャーのレビュー・感想・評価
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ゾンビ映画というより、ナチの亡霊映画?
東欧の紛争地帯にある土地の鉱物調査をするために傭兵を集めてもらいたいと、依頼主ハントは傭兵のボスとなるCG(スティーブンソン)と交渉する。集まったのはプライアー、ジョーダン、タック、コッター、ヴォアテック、マッキーという6人の精鋭傭兵部隊。その場所には第二次大戦の遺物である古い地下壕があった。
地下壕を探索するといくつもの死体が重なり合い、なんとその中の1人が生きていた。助けようとする彼ら傭兵たちだったが、その男は一切しゃべらず座っているだけ。やがて夜になると、森の中から光とともに何者かが現れ、彼らを攻撃するのだ。一方、地下の奥に怪しげな機械を発見したハントは応援部隊に連絡しつつ、機械を作動させようとするのだが・・・
全体的に薄暗いトーンのため、不気味さが倍増。ある一室で壁の覆いを取るとそこには鮮やかなハーケンクロイツが現われる。敵が落とした古い銃弾や鉄十字の勲章。そしてハントの資料によると、機械はオカルトと科学を融合させた最強兵士を作るためのものだと分かる。ナチスの失われた金塊なんかじゃなく、統一場理論を実践しようとしたナチの秘密兵器が目的だったのだ。
敗戦濃厚だったナチスは地下壕を閉鎖しようとしたが、派遣されたSS隊員たちは生きて戻ってくることはなかったとか。アインシュタインの理論によって無敵の殺戮マシンを作り続けようとした科学。反戦メッセージなども感じられるし、人殺しで生きてきた傭兵たちとの矛盾もちらつかせた内容。生存者がナチ将校だとわかったときの恐怖も傭兵たちをビビらせるのだ。
ゾンビと冠したタイトルに惹かれての鑑賞となったけど、意外な内容だったのでちょっと得した気分にもなりました。死なない兵士!これが一番怖い。なお、原題のoutpostとは前哨基地の意味。
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