「久しぶりに面白いヤクザ映画を見ました。」破門 ふたりのヤクビョーガミ お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりに面白いヤクザ映画を見ました。
掘り尽くされ枯渇していたはずのヤクザ映画というジャンルでありながら、まったく新しいアイディアで楽しませてくれる作品でした。
ヤクザが被害者であり、加害者は一般市民であるという構図。
暴力団排除の近年の流れの中で、シロウト詐欺師が暴力団を手玉に取るというストーリーです。
暴力団であっても、被害者という立場にあるからこそ、思う存分、暴力を振るうことが(観客に)許されるという構図となっていて、このアイディアには頭が下がりました。
もちろん主人公の佐々木蔵之介の名演技も光りましたが、なにより詐欺師役の橋爪功に★五つを差し上げたいと思った次第です。
素晴らしい!
近年の「へたれ系」ヤクザ映画の特徴として、描けない点をドタバタギャグでごまかすという手法があるわけですが、その肝の座らなさ具合こそが近年のヤクザ映画をくだらない存在にしていたのだな、と改めて認識した、そんな気がします。
私が観た時は、客はごく少なく、しかも「ヤ印」の観客がいたりして、興業の世界なんてのは、まあ、こういうものなのかも知れませんが……。
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