「フィリップ・シーモア・ホフマン」ゴッド・タウン 神なきレクイエム スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
フィリップ・シーモア・ホフマン
主演としてはこれが最後となってしまった作品でしょうか。
まあ最後にしてはかなり地味な作品でしたけど、フィリップ・シーモア・ホフマンらしさは存分に出ていた作品でしたね。
逆にもしフィリップが亡くなっていなかったら、日本ではこの作品を目にすることは無かったかも?
そのぐらい地味な、閉鎖的で腐った田舎町を舞台にした作品でしたが、まあしかし町そのものも腐った田舎町でしたけど、フィリップが演じた主人公ミッキーもどうしょうもないクズで、見ている方も何かこうゲンナリしてくると言うか・・・でも、そんなクズっぷりが妙に似合うと言うか、フィリップが演じるとどこか憎めないところもあって、やぱり味のある俳優さんだったなぁとしみじみ・・・。
そんな田舎町ゴッズポケットの住民は、ミッキーだけでなく揃いも揃って本当に皆クズばかりでしたね。
こんな町にはホント絶対に住みたくない、けど、ここで生まれた住民は、皆必ずと言っていいほどここで暮らす、いや、暮らすしかない、そんな抜け出せない暮らしを受け入れているからこそ、皆クズになる悪循環、酒・ギャンブル・暴力・軽犯罪が日常と化している彼らの生活を見ていると、見ているこちらの気分も鬱屈としてきます・・・。
ただ、フィリップだけでなく脇を固めた俳優陣がジョン・タトゥーロやリチャード・ジェンキンスやエディ・マーサン(葬儀屋は得意分野!)等、実力派が揃っていただけあって、町で起こったそれぞれのエピソードには、何だかんだで惹き付けられはしましたけどね。
でも、終わってみると結局何を言いたかったのか?結局何も解決していないような?と思えてしまう映画でもあったような・・・。
細かいエピソード自体は悪くないのですが、それらのまとめ方が微妙だったかなぁと。
しかし息子の葬式費用も競馬に使い込むダメ親父シーモア・ホフマン、あなたは正真正銘、見事過ぎるクズでしたねぇ。
まあでも田舎町の妙な仲間意識、排他的感情は、アメリカのみならず日本でも、ここまでではないにしろ、どこかしらあるあると思わされた映画ではありましたね。
表立っては言わないにしても、よそ者にはどこか線引き感情があると言うか。
そんなよそ者リチャードさんの末路が何とも切なかった・・・。
しかしフィリップの妻役を演じたクリスティーナ・ヘンドリックスの胸は凄いね!魔性の胸?ドキがムネムネしちゃいました。